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大網店
モンスターSUV

12月24日、深夜2時。

世界中の子供たちが「シャンシャン」という鈴の音を待ちわびている頃、北国の凍てつく峠道には、まったく別の音が響き渡っていた。

「グルルルル……ズオォォォォン!!」

地響きのような重低音と共に現れたのは、空を飛ぶソリではない。

リフトアップされ、極太のスタッドレスタイヤを履いた、真っ赤なフルサイズSUVだ。

ボンネットの下には、トナカイ8頭分どころではない、800馬力を叩き出すV8ツインターボエンジンが鎮座している。

運転席に座るのは、レイバンのサングラスをかけた白髭の大男、サンタクロースだ。

 

「今年はトナカイ共に有給休暇をやってな。こいつの慣らし運転には丁度いい夜だぜ!」

 

サンタは不敵に笑うと、アクセルペダルを床まで踏み込んだ。

4輪が雪面を噛み、巨体がロケットのように加速する。

雪の降り積もるヘアピンカーブ。

彼はブレーキを踏む代わりにサイドブレーキを引き、鮮やかなドリフトでコーナーをクリアしていく。

後部座席に山積みにされたプレゼントが右へ左へと遠心力で揺れるが、そんなことはお構いなしだ。

「おいルドルフ(AIナビ)、次のガ〇ん家まで何分だ?」

『現在速度デハ、30秒デ到着シマス。ただし法定速度ヲ200キロ超過シテイマス』

「細かいことは気にするな!メリー・クリスマスだ!」

住宅街に入ると、SUVは轟音を抑える「サイレントモード」に…切り替えることもなく、そのまま家の前に急停車。

サンタは窓を開けると、煙突ではなく2階の開いた窓めがけて、バスケットボール選手のようなスナップでプレゼントを投げ込んだ。

「ナイスイン!」

仕事は秒速で終わる。

余韻に浸る間もなく、彼は再びエンジンを唸らせ、次の街へと消えていった。

翌朝、子供たちは枕元のプレゼントに大喜び。

しかし、大人たちは首を傾げることになる。

「ねえ、昨日の夜、屋根の上にタイヤの跡がついてなかったか…?」

聖なる夜の静寂を切り裂く、赤い彗星。

今年のサンタは、ちょっとばかりワイルドすぎるようだ。

 

※道路上を運転する際は法律を遵守しましょう

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